忍者ブログ
ここは齢200歳を超えるもののけの「Ki-Tsu-Ne」が、世界にむけて有ること無いことを発信するサイトです。
おひまなら見てよね
運営費をねじり出すため、クリックして下さい


バンダイチャンネル
AEON BIKE
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新トラックバック
最新コメント
[03/15 マナサビイ]
[09/03 Ki-Tsu-Ne]
[09/03 白くじら]
[08/24 Ki-Tsu-Ne]
[08/24 マナサビイ]
ランキング参加中
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ にほんブログ村 その他日記ブログ 愚痴・ぼやきへ
プロフィール
HN:
Ki-Tsu-Ne
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
ここは齢200を越えるもののけ「Ki-Tsu-Ne」が、とある山にある小さな祠から世界に向けてあること無いことを発信する場所です。

このサイトへのリンクはフリーです。というか、バンバン張ってちょうだい!!
拍手ください
お便りはこちら
メールアドレスです
メールをされる場合は ↑ をクリック
メーラーが立ち上がります
アーカイブ
カウンタ
[497]  [496]  [493]  [489]  [488]  [485]  [484]  [483]  [482]  [481]  [480

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

みかん intercity編

20090923A.jpg
一個30円だったかな?

このお菓子はそんな駅売りのみかんをイメージしたものなのでしょう。3つにくびれたオレンジ色の容器を緑の編み目が印刷されたフィルムでパッケージした姿は「在りし日の冷凍みかん」を思い出させます。

私は、つい、この「冷凍みかんに似たもの」を2、3個掴み、レジで精算を済ませると、その足で上の階にあるプラットフォームに上がりました。

夜も更け、この西日本随一のターミナルとも言われる梅田駅も、未だ多くのマルーンカラーに塗られた列車が止まっているものの、既に乗降客はまばらである。私は赤地に白く「特急」と書かれた車両に乗り込んだ。

列車の混み具合は、座る事は出来るが、自分の好きな所には座れないと言った所。一日の疲れもピークに達していたので、適当に空いている席に腰掛けた。

座席は2人がけの席に仕切られた「ロマンスシート」と呼ばれる形式である。家族連れなどが使う場合、シートの一方を反対側に倒して、グループが向き合うように座る事も出来るのだが、平日も夜遅く、仕事帰りのビジネスマンしか居ない中、わざわざシートを倒す乗客も居ない。

私の隣には既に先客が居た。年の頃は50前後か。彼も疲れ果てているのか窓に頭をつけ、口を開け、さらに斜めにだらしなく座ったまま眠っていた。

「この人も疲れているのだろうな」。こんな時間にやっと家路に就けるのだから、昼間は大変な仕事を抱えているのだろうなと思った。しかし、疲れ果てているせいなのかもしれないが、体を私の方に押しつけてくるのは勘弁して欲しいとも思った。

ひとまず腰を落ち着けた所で、さっき買い入れたお菓子を開けた。中には直径3mm程のオレンジ色の粒菓子が入っていた。私はそれをいくつかてのひらに乗せ、一遍に口に放り込んだ。

ボリボリボリッ
口に入れたお菓子を噛みしめると、ラムネ菓子が私も驚くほど大きな音をたてて砕けた。

その瞬間、隣の席で寝入っていた客が目を覚まし、こちらをじっとにらみつけた。よほど私のたてた音が大きかったのだろう。その目にはわずかに怒りの色が付いているようにも見えた。しかし、その様子も長くは続かず、すぐに表情がだらしなく緩んだしたかと思うと、そのまま目をつむり、夢の中へ旅立ってしまった。

私は細心の注意を図りながら、この小さな粒を噛み砕いていった。ポリポリ、ポリポリ。

ターミナルを静かに走り出した特急電車は、都会の喧噪を抜け出し、漆黒の闇を切り裂いて行った。

PR

お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
非公開コメント
この記事にトラックバックする:

忍者ブログ [PR]

graphics by アンの小箱 * designed by Anne