京都という街は、最近いつの間にか「ラーメンの街」というのが定着してしまいました。
私は、どうもこの「ラーメンの街」というイメージには違和感を感じてしまいます。京都という街は、喜多方や讃岐(これはうどんですが)と違い、人口に対してラーメン屋が多いわけではありません。かと言って、博多や札幌のように、この街のラーメンは何味であるといったものも有りません。「京都ラーメン」の場合、比較的鶏ガラスープの店が多いですが、
「スープの味に決まりが無い」のが京都ラーメンの特色と言った方が良いくらいです。
武骨な看板が店の自信を漂わせています
今回紹介する
「新福菜館」は、この京都でも50年以上の歴史を持つ京都ラーメンの老舗です。店の場所はJR京都駅を烏丸口より出て右に曲がり、2つ先の交差点をさらに右に曲がった所に有ります。
この新福菜館。すぐ隣には
「第一旭」というここも長い歴史を持った有名なラーメン店が有ります。お互いのラーメンの味の傾向が違うから成り立つのでしょうが、超有名店が隣どうしで並んでいるのも非常に面白いですね。
黒いです。チャーシューは薄切りの肉が器一杯に埋まっています。
これで普通のラーメン。チャーシューメンでは有りません。
さて、ここのラーメンの特徴ですが、写真を見ていただいた通り、スープの色が非常に濃いです。よく生粋の関西人が東京あたりの立ち食いうどんを見て、その余りの黒さに「こんな器の底が見えないような汁が飲めるかあっ!」などとにわか仕立ての東京弁でさわいでいたりしますが、ここのスープはその段階をはるかに越えています。しかし、その味は非常にあっさりとしたもので、見た目とのギャップに驚かされます。色からして、本当はかなり濃厚なスープのはずなのにいくらでも飲めてしまいます。ちなみに鶏ガラベースの醤油味のスープです(鶏ガラは推測ですが)。
麺は、ラーメンにしてはやや太めで、標準的なスパゲッティくらいの太さがあります。とてもコシが有って、私のように、麺に歯ごたえを求める人にとってはたまりません。
私は、やはり京都がラーメンの街と呼ばれるのには抵抗感が有りますが、こと関西でおいしいラーメンと来ればこの新福菜館は外す事が出来ません。
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